2026年10月から国民年金の育児期間の保険料免除が始まります

自営業・フリーランスなどの第1号被保険者も対象に

2026年10月1日から、国民年金の第1号被保険者を対象とした「国民年金保険料の育児免除制度」が始まります。

これまで、会社員などの厚生年金に加入している方には、育児休業中の社会保険料免除などの仕組みがありました。

一方、自営業者やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者には、育児期間中の国民年金保険料を免除する仕組みはありませんでした。

今回の制度により、一定の要件を満たす第1号被保険者について、子どもが1歳になるまでの育児期間の国民年金保険料が免除されます。

自営業やフリーランスとして仕事を続けながら子育てをしている方も対象となり得ることが、この制度の大きなポイントです。


どのような人が対象になる?

対象となるのは、国民年金の第1号被保険者で、1歳未満の子を養育している方です。

具体的には、次のような方が対象となります。

  • 自営業者
  • フリーランス
  • 農業・漁業などに従事している方
  • その他、国民年金の第1号被保険者となっている方

対象となるのは母親だけではありません。

父親も対象になります。

また、一定の要件を満たす養父母も対象となります。

なお、原則として子と同一住所にあり、その子を養育していることなどの要件があります。


所得制限はありません

今回の育児免除制度には、通常の国民年金保険料免除制度のような所得要件はありません。

そのため、

「所得が一定以上だから育児免除を利用できない」

という制度ではありません。

対象となる第1号被保険者であることや、子どもの養育状況などの要件を満たしているかどうかがポイントになります。


育児のために仕事を休む必要はありません

今回の制度で特に重要なのが、育児のために仕事を休んでいることが要件ではないという点です。

自営業者やフリーランスの場合、

  • 店舗を経営しながら子育てをしている
  • フリーランスとして仕事を続けている
  • 農業を続けながら子育てをしている

といったケースがあります。

今回の制度では、このように仕事を続けながら子どもを養育している場合でも
要件を満たせば対象
となります。


免除される期間は?

免除期間は、誰が子どもを養育しているかなどによって異なります。

父親・養父母などの場合

原則として、

子を養育することとなった日の属する月から、子が1歳に達する日の属する月の前月まで

が対象となります。

最大で12か月となりますが、実際の免除期間は子どもの出生時期や養育を開始した時期などによって異なります。

出産した母親の場合

出産した第1号被保険者には、従来から産前産後期間の国民年金保険料免除制度があります。

そのため、産前産後免除に続いて育児免除が適用される仕組みとなり、育児免除の対象期間は原則として9か月間となります。

「母親も一律12か月免除」とは限りませんので注意が必要です。


2026年10月より前に生まれた子も対象になる場合があります

制度開始日は2026年10月1日ですが、2026年10月1日以降に生まれた子どもだけが対象というわけではありません。

制度開始時点ですでに1歳未満の子を養育している第1号被保険者についても、一定の範囲で対象となります。

例えば、2026年10月1日時点で子どもがまだ1歳未満であれば、2026年10月以降の期間について育児免除の対象となる場合があります。

「10月1日以降に子どもが生まれた場合だけ」と考えないよう注意しましょう。


免除されると将来の年金は減る?

ここは非常に重要なポイントです。

今回の育児免除期間は、単なる「未納期間」とは異なります。

育児免除を受けた期間は、保険料を納付したものとして、老齢基礎年金の額に反映されます。

そのため、

「育児期間中の保険料を払わないと、将来の年金が減ってしまうのでは?」

と心配される方もいると思いますが、今回の制度では、育児免除期間については老齢基礎年金の計算上、保険料を納付した場合と同様に扱われます。


父親も対象になります

今回の制度では、父親も対象になることが大きなポイントです。

例えば、

夫:自営業
妻:自営業
子:1歳未満

という家庭の場合、夫婦それぞれが第1号被保険者で、その他の要件を満たしていれば、夫婦それぞれが育児免除の対象となる可能性があります。

「育児免除は母親のための制度」と考えないよう注意しましょう。


すでに国民年金保険料を前納している場合は?

ここも注意が必要です。

国民年金保険料について、

  • 1年前納
  • 2年前納
  • 口座振替による前納
  • クレジットカードによる前納

などを利用している方もいます。

すでに前納している場合でも、育児免除の対象となる場合があります。

特に、口座振替やクレジットカードによる前納を利用している方については、育児免除期間終了後に振替方法が変更となる場合があります。

前納している方は、「すでに払っているから育児免除は関係ない」と考えず、育児免除の届出をする際に、前納の状況についても確認することをおすすめします。


手続きは必要?

育児免除を受けるためには、原則として届出が必要です。

市区町村の国民年金担当窓口などで手続きができるほか、マイナポータルを利用した電子申請も可能です。

ただし、産前産後免除を利用した出産した母親については、一定の条件を満たしている場合、日本年金機構が情報を確認できるため、育児免除の届出が不要となる場合があります。

また、育児免除期間中に子どもとの同一住所などの要件を満たさなくなった場合には、別途届出が必要となる場合があります。


対象外となる人にも注意

今回の育児免除制度は、国民年金の第1号被保険者を対象とする制度です。

そのため、

  • 第2号被保険者(会社員・公務員など)
  • 第3号被保険者
  • 任意加入被保険者

は、この制度の対象外です。

会社員などの第2号被保険者については、育児休業等に伴う厚生年金保険料等の免除制度など、別の仕組みがあります。


自営業・フリーランスの子育て世帯にとって大きな制度変更

今回の制度によって、自営業者やフリーランスなどの第1号被保険者についても、育児期間中の国民年金保険料の負担を軽減できるようになります。

特に、

  • 自営業を続けながら子育てをしている
  • フリーランスとして仕事を続けている
  • 夫婦ともに第1号被保険者である
  • 国民年金保険料を前納している

という方は、一度制度の対象になるか確認してみるとよいでしょう。


まとめ

2026年10月1日から始まる国民年金の育児免除制度の主なポイントは次のとおりです。

項目 内容
制度開始 2026年10月1日
対象 国民年金第1号被保険者
主な対象者 自営業者・フリーランスなど
父親 対象
所得制限 なし
育児のための休業 必須ではない
子どもとの同一住所 原則必要
母親 産前産後免除との関係で育児免除は原則9か月
父親・養父母等 原則最大12か月
将来の老齢基礎年金 免除期間は納付したものとして反映
手続き 原則として届出が必要
前納している場合 育児免除の対象となる場合があるため要確認
対象外 第2号・第3号・任意加入被保険者

「自分は対象になるのか」「どの月が免除になるのか」「前納している保険料はどうなるのか」など、個別の状況によって確認が必要な場合があります。

詳しい手続きや対象期間については、お住まいの市区町村または日本年金機構への確認をおすすめします。

参考:日本年金機構「国民年金保険料の育児免除制度」

令和8年度の最低賃金改定額が答申|千葉県は1,195円に

令和8年度(2026年度)の地域別最低賃金について、全国47都道府県の地方最低賃金審議会から改定額が答申されました。

全国加重平均は1,177円となり、前年度から56円の引上げとなります。

最低賃金の大幅な引上げが続いているため、事業主の方は、パート・アルバイトだけでなく、月給制の従業員についても、最低賃金を下回っていないか確認しておくことが大切です。

令和8年度の最低賃金は全国平均1,177円に

厚生労働省によると、令和8年度の地域別最低賃金について、全47都道府県の地方最低賃金審議会から改定額の答申が出そろいました。

全国加重平均は、

1,177円

となり、前年度の1,121円から、

56円の引上げ

となります。

今回の引上げ額56円は、最低賃金の目安制度が始まった昭和53年度以降で2番目に大きい引上げ額です。

ただし、1,177円は全国一律の最低賃金ではありません。

地域別最低賃金は都道府県ごとに異なるため、事業所の所在地に応じた最低賃金を確認する必要があります。

千葉県の最低賃金は1,195円に

千葉県では、最低賃金が、

1,140円 → 1,195円

に引き上げられます。

引上げ額は55円です。

千葉県については、すでに正式決定・官報公示されており、

令和8年(2026年)10月1日から1,195円

となります。

千葉県内の事業主の方は、10月1日からの最低賃金引上げに向けて、従業員の賃金を確認しておきましょう。

全国の最低賃金はいつから変わる?

全国の最低賃金は、すべての都道府県で同じ日に発効するわけではありません。

令和8年度は、2026年10月1日から12月2日にかけて、各都道府県で順次発効する予定です。

そのため、千葉県以外の事業所については、それぞれの都道府県の発効日を確認する必要があります。

また、現時点では「答申」の段階であり、正式決定前の都道府県については、今後の手続きを経て決定されます。

会社が確認しておきたいこと

最低賃金の引上げに伴い、会社では次のような点を確認しておきましょう。

① パート・アルバイトの時給

まず確認したいのが、時給制の従業員です。

例えば千葉県で現在、

時給1,150円

としている場合、10月1日以降は最低賃金1,195円を下回るため、賃金の引上げが必要になります。

一方、すでに1,200円など最低賃金を上回っている場合、最低賃金の引上げだけを理由として55円の昇給が必要になるわけではありません。

ただし、従業員間の賃金バランスなどを考慮して、賃金を見直すことは考えられます。

② 月給制の従業員

最低賃金は、時給制の従業員だけが対象ではありません。

月給制の従業員についても、最低賃金の対象となる賃金を1時間当たりの金額に換算して、最低賃金と比較します。

そのため、

「月給制だから最低賃金は関係ない」

ということではありません。

③ 最低賃金の比較対象となる賃金

最低賃金と比較する際には、すべての手当を含めるわけではありません。

例えば、

  • 精皆勤手当
  • 通勤手当
  • 家族手当
  • 時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金
  • 臨時に支払われる賃金
  • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

などは、最低賃金の比較対象から除外されます。

そのため、月給の総額だけを見て判断するのではなく、最低賃金の計算方法に沿って確認することが重要です。

④ 求人票・求人広告

求人を出している会社は、求人票や求人広告の賃金額についても確認しておきましょう。

最低賃金の引上げ前の金額を掲載したままになっている場合は、10月1日以降の賃金額に合わせて見直す必要があります。

⑤ 賃金バランス

最低賃金の引上げによって、これまでの従業員間の賃金差が小さくなることがあります。

例えば、

  • 新しく採用する人の時給
  • 勤続年数の長いパート社員
  • 正社員

などの賃金水準をあわせて確認することで、賃金制度全体を見直すきっかけにもなります。

「最低賃金+55円」の昇給が全員に必要なわけではありません

千葉県では最低賃金が55円引き上げられますが、

「すべての従業員の賃金を55円上げなければならない」

という意味ではありません。

最低賃金を下回る従業員については、最低賃金以上となるよう対応する必要があります。

一方、すでに最低賃金を上回っている従業員については、最低賃金の引上げだけを理由として同じ額の昇給が義務付けられるわけではありません。

ただし、賃金バランスや人材確保などを考慮して、会社として賃金を見直すことは考えられます。

特定最低賃金にも注意

今回取り上げているのは、都道府県ごとに定められる地域別最低賃金です。

一方、特定の産業については、地域別最低賃金とは別に特定最低賃金が定められている場合があります。

対象となる業種の事業主の方は、地域別最低賃金だけでなく、特定最低賃金についても確認しましょう。

まとめ

令和8年度の最低賃金は、全国的に大幅な引上げとなる見込みです。

全国加重平均は、

1,177円(前年度から+56円)

となりました。

千葉県では、

1,140円 → 1,195円

となり、令和8年10月1日から発効します。

最低賃金の引上げに向けて、事業主の方は、

  • パート・アルバイトの時給
  • 月給制従業員の賃金
  • 最低賃金の比較対象となる賃金
  • 求人票・求人広告
  • 賃金規程
  • 従業員間の賃金バランス
  • 特定最低賃金の該当の有無

などを確認しておきましょう。

最低賃金は毎年改定されるため、今回の改定をきっかけに、自社の賃金設定や給与体系を確認してみてはいかがでしょうか。

当事務所では、最低賃金の確認や賃金制度、給与に関する労務相談を承っています。お気軽にご相談ください。


更新履歴

  • 2026年9月15日:令和8年度の最低賃金改定額の答申について掲載
  • 今後、各都道府県の正式決定・発効状況に応じて更新予定です。

【2026年10月1日から】外国人の在留資格変更・更新・永住許可の手数料が大幅値上げ|企業が確認したいポイント

2026年(令和8年)10月1日から、外国人の在留資格変更許可、在留期間更新許可、永住許可にかかる手数料が改定されます。

今回の改定では、在留資格変更・在留期間更新について、許可される在留期間に応じて手数料が変わる仕組みとなります。

また、永住許可については、現在の1万円から20万円へと大幅に引き上げられます。

外国人を雇用している企業にとっても、在留資格や在留期限の管理、手続き費用の負担などに関係する重要な変更です。

この記事では、2026年10月1日からの変更内容と、外国人を雇用する企業が確認しておきたいポイントを解説します。

2026年10月1日から在留許可手数料が改定

出入国在留管理庁では、2026年10月1日から、在留資格変更許可、在留期間更新許可、永住許可に係る手数料を改定します。

特に大きな変更となるのが、在留資格変更・在留期間更新です。

これまでは基本的に一律の手数料でしたが、改定後は許可される在留期間の長さに応じて手数料が段階的に設定されます。

在留資格変更・在留期間更新の新しい手数料

2026年10月1日以降に申請を受け付けた在留資格変更許可・在留期間更新許可については、次の手数料となります。

許可される在留期間 窓口申請 オンライン申請
3月以下 10,000円 8,000円
3月超~6月以下 18,000円 15,000円
6月超~1年未満 25,000円 21,000円
1年 33,000円 27,000円
1年超~3年未満 48,000円 40,000円
3年以上~5年未満 64,000円 53,000円
5年以上 75,000円 62,000円

※オンライン申請の場合は、上記の手数料とは別に決済手数料が必要です。

オンライン申請の決済手数料については、申請する手続き等によって異なります。最新の金額は出入国在留管理庁の公式情報をご確認ください。

「3年」の場合はどの区分?

注意したいのが、3年ちょうどの場合です。

「1年超~3年未満」ではなく、

「3年以上~5年未満」

に該当します。

そのため、3年の在留期間が許可された場合、

  • 窓口申請:64,000円
  • オンライン申請:53,000円

となります。

「3年だから48,000円」と考えないよう注意が必要です。

永住許可は1万円から20万円へ

今回、特に大きな改定となるのが永住許可です。

現在の永住許可手数料は10,000円ですが、2026年10月1日からは、

200,000円

となります。

つまり、

10,000円 → 200,000円

となり、190,000円の引き上げです。

永住許可を検討している外国人にとっては、非常に大きな負担増となります。

なお、永住許可は在留資格変更・在留期間更新とは異なり、「許可される在留期間」に応じた段階制ではありません。

9月30日までに申請した場合はどうなる?

今回の改定で、企業や外国人本人が特に注意したいのが手数料の適用時期です。

新しい手数料は、2026年10月1日以降に申請を受け付けたものに適用されます。

例えば、2026年9月30日までに申請が受け付けられた場合は、審査の結果、許可されるのが10月以降になっても改定前の手数料が適用されます。

一方、2026年10月1日以降に申請が受け付けられた場合は、改定後の手数料が適用されます。

「10月1日に許可されたかどうか」ではなく、いつ申請が受け付けられたかが重要です。

オンライン申請は窓口より手数料が低く設定

今回の改定では、オンライン申請の手数料は窓口申請より低く設定されています。

例えば、在留期間が「3年以上5年未満」の場合、

  • 窓口:64,000円
  • オンライン:53,000円

となります。

ただし、オンライン申請の場合は別途決済手数料がかかります。

そのため、オンライン申請を利用する場合には、手数料だけでなく決済手数料を含めた実際の支払額を確認する必要があります。

手数料の減額・免除制度もある

経済的困難その他特別の理由がある場合には、一定の要件のもとで手数料の減額・免除を受けられる制度があります。

減額された場合の手数料は、

  • 在留資格変更許可:10,000円
  • 在留期間更新許可:10,000円
  • 永住許可:20,000円

とされています。

ただし、誰でも利用できる制度ではなく、一定の要件を満たす必要があります。

また、減額・免除については申請方法などにも注意点がありますので、利用を検討する場合は出入国在留管理庁の最新情報をご確認ください。

外国人を雇用する企業が確認しておきたいこと

今回の手数料改定は、外国人本人だけの問題ではありません。

外国人を雇用している企業では、日頃から在留資格や在留期限を確認しておくことが重要です。

1.在留期限を把握する

外国人従業員の在留カードを確認し、在留期限を会社として把握しておきましょう。

更新手続きが必要になってから慌てるのではなく、余裕を持って確認することが大切です。

2.現在の在留資格を確認する

外国人従業員が現在どの在留資格で在留しているのか、その在留資格で現在の仕事に従事できるのかを確認することも重要です。

採用時だけでなく、配置転換や仕事内容の変更があった場合にも注意が必要です。

3.更新にかかる費用について会社のルールを決めておく

在留資格の変更・更新にかかる手数料を会社が負担するのか、本人が負担するのかについて、あらかじめ社内でルールを決めておくとトラブル防止につながります。

今回の改定では、特に長期間の在留許可や永住許可について負担額が大きくなるため、会社が費用を負担している場合には、従来以上に影響が大きくなります。

4.社会保険・雇用保険の手続きも忘れない

外国人であっても、社会保険や雇用保険については、加入要件を満たせば原則として日本人と同様に手続きが必要です。

在留資格の手続きと、社会保険・雇用保険の手続きは別のものです。

外国人従業員を採用・雇用する際には、在留資格だけでなく、労働条件や社会保険・雇用保険についても確認しましょう。

詳しくは、外国人の社会保険手続きの記事で解説しています。

まとめ

2026年10月1日から、外国人の在留資格変更・在留期間更新・永住許可にかかる手数料が大きく改定されます。

特に重要なポイントは次のとおりです。

  • 在留資格変更・在留期間更新は、許可される在留期間によって手数料が変わる
  • 窓口申請とオンライン申請で手数料が異なる
  • オンライン申請には別途決済手数料がかかる
  • 永住許可は1万円から20万円へ大幅に引き上げられる
  • 2026年9月30日までに申請を受け付けたものは、10月1日以降に許可されても旧料金
  • 外国人を雇用する企業は、在留期限・在留資格・雇用条件などを改めて確認しておくことが重要

今回の改定を機会に、外国人従業員の在留期限や在留資格だけでなく、労働条件、社会保険、雇用保険などの雇用管理についても一度確認してみてはいかがでしょうか。

※この記事は、2026年9月時点で公表されている出入国在留管理庁の情報をもとに作成しています。在留手続きの具体的な取扱いについては、最新の公式情報をご確認ください。

外国人の社会保険手続きがもっとスムーズに!「カナ氏名が違う」ときの新しい本人確認

外国人社員を採用したとき、会社では社会保険の手続きが必要になります。

ところが、外国人の氏名を日本語の「カナ」で登録すると、思わぬところで手続きが止まることがあります。

その原因の一つが、氏名の表記の違いです。

たとえば、外国人本人の氏名をカナで登録したものと、行政機関が保有している情報のカナ表記が一致しないケースです。

「同じ人なのに、カナ表記が少し違う……」

こうした場合、これまでは本人確認のために会社へ確認・返戻されることがありました。

そこで今回、厚生労働省が本人確認の事務について新しい取扱いを示しました。

ポイントは「アルファベットの名前」

2026年10月1日から、日本国籍を有しない厚生年金被保険者について、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)への照会結果でカナ氏名だけが一致しない場合、アルファベット表記の氏名を使って本人確認できるようになります。

イメージすると、

カナ氏名が一致しない

↓

「別人なのか? 単なる表記の違いなのか?」

↓

アルファベット表記を確認

↓

アルファベット氏名が一致

↓

「本人と確認できた!」

という流れです。

これにより、カナ氏名の表記だけを理由に手続きが行き詰まるケースを減らすことが期待されます。

会社として何をしておけばいい?

今回の変更だけを理由に、会社の事務手続きを大きく変える必要はありません。

外国人社員を採用した際には、これまでどおり必要な本人確認書類を確認し、正確な氏名を把握しておくことが大切です。

特に、アルファベット表記の氏名を確認できる資料を会社側で確認できる状態にしておくと、カナ氏名の不一致が発生した場合にも対応しやすくなります。

また、この取扱いは電子申請の場合も同様です。

被扶養者の手続きにも関係します

今回の変更は、外国人社員本人だけの話ではありません。

外国人の被扶養者について健康保険の扶養認定を行う場合も、カナ氏名だけが一致しないケースで、アルファベット表記の氏名が一致すれば本人確認ができたものとして処理できるようになります。

まとめ

今回の変更を一言で表すなら、

「カナ氏名が違っていても、アルファベット氏名で本人確認できれば手続きを進められるようになる」

というものです。

外国人材を雇用する会社が増えるなか、氏名の表記方法による事務上の「ちょっとしたつまずき」を減らすための変更と言えるでしょう。

適用開始は2026年10月1日です。

外国人社員の社会保険手続きを担当している方は、今回の変更を知っておくと、いざというときに慌てず対応できます。

※本記事は、2026年8月3日付「日本国籍を有しない厚生年金保険被保険者の資格取得等に係る事務の取扱いについて」に基づいて作成しています。

【2026年9月】残業45時間超の一律指導を見直し|36協定・特別条項をわかりやすく解説

「2026年9月から、月45時間を超える残業について、労働基準監督署の一律的な指導が見直される」

このようなニュースを聞いて、

「それなら、これからは月45時間を超えて残業してもいいの?」

と思った方もいるかもしれません。

結論からいうと、残業が自由になるわけではありません。

今回変わるのは、残業時間の法律上のルールそのものではなく、労働基準監督署が会社を指導するときの方法です。

この記事では、法律に詳しくない方にもわかるように、2026年9月から何が変わるのかを説明します。


2026年9月から何が変わる?

2026年9月1日から、労働基準監督署による時間外・休日労働時間数だけに着目した一律的な指導が見直されます。

これまで、月45時間を超える時間外労働について、

「45時間以内に減らしてください」

と一律に削減を求めるような指導が行われることがありました。

今後は、単純に「45時間を超えたかどうか」だけではなく、

  • 36協定の内容
  • 特別条項の利用状況
  • 健康や福祉を守るための措置
  • 実際の労働時間
  • 長時間労働が一時的なのか、恒常的なのか

など、会社の実際の状況を踏まえて指導する方向になります。


そもそも「残業45時間」とは?

会社で働く場合、原則として法律では、

1日8時間・1週間40時間

を超えて働かせることはできません。

これを超えて働くことが、一般に「残業」と呼ばれています。

例えば、1日8時間働いたあとに2時間仕事をすれば、その2時間が時間外労働になります。

会社が従業員に残業をしてもらうためには、原則として**36協定(サブロク協定)**を結ぶ必要があります。

36協定とは、簡単にいうと、

「法律で決められた労働時間を超えて働いてもらうことについて、会社と労働者側であらかじめ取り決めるもの」

です。

そして、36協定を結んだからといって、会社が何時間でも残業をさせられるわけではありません。

原則として、

月45時間・年360時間

という上限があります。


45時間を超える残業はできないの?

ここは少し複雑です。

仕事には、どうしても一時的に忙しくなることがあります。

例えば、

  • 突然、大きな注文が入った
  • 決算の時期に仕事が集中した
  • 納期が重なった
  • 突発的なトラブルが発生した

といった場合です。

このような臨時的な特別の事情がある場合には、会社は「特別条項付き36協定」を結ぶことで、一定の範囲内で月45時間を超える残業をしてもらうことができます。

ただし、特別条項を結べば自由に残業できるわけではありません。

例えば、

  • 年720時間以内
  • 1か月100時間未満
  • 2~6か月平均80時間以内
  • 月45時間を超えることができるのは年6か月まで

などのルールがあります。

つまり、

「45時間を超えることができる場合がある」

のであって、

「45時間を超えても自由」

ということではありません。


45時間を超えたら法律違反?

「45時間を超えた=必ず法律違反」ではありません。

特別条項付き36協定が適切に結ばれていて、法律で定められた条件を満たしている場合には、月45時間を超える時間外労働が認められる場合があります。

一方で、

  • 36協定を結んでいない
  • 特別条項がないのに45時間を超えている
  • 特別条項の条件を満たしていない
  • 法律で定められた上限を超えている

といった場合には、別の問題が生じます。

そのため、

「45時間を超えたかどうか」だけではなく、「どのような36協定を結んでいるのか」「特別条項を適切に利用しているのか」まで確認することが重要です。


では、労働基準監督署の指導はどう変わる?

今回の変更で最も重要なのがここです。

これまでのように、

「45時間を超えた」

という数字だけを見て、一律に残業削減を求めるのではなく、

「なぜ長時間労働になっているのか」

「36協定は適切か」

「働く人の健康を守るための措置を行っているか」

などを確認したうえで、必要な指導を行う方向になります。

つまり、

これまでのイメージ

45時間を超える
↓
一律に削減を求める

2026年9月以降

45時間を超える
↓
36協定・特別条項を確認
↓
健康確保措置を確認
↓
実際の労働状況を確認
↓
必要に応じて指導

というように、会社ごとの実態を見る方向へ変わると考えると分かりやすいでしょう。


「45時間を超えても大丈夫」という意味ではありません

今回の変更で、最も注意していただきたいのがこの点です。

「2026年9月から残業45時間のルールがなくなる」

ということではありません。

法律上の時間外労働の上限規制は引き続き存在します。

また、長時間労働によって健康障害が生じるおそれが高い場合には、引き続き必要な指導が行われます。

今回変わるのは、

「45時間を超えた」という数字だけを理由にした一律的な指導方法

です。


健康を守るための措置も重要になります

長時間働き続けると、疲労がたまり、健康に悪影響が出る可能性があります。

そのため、特別条項付き36協定では、長時間労働をする人について、健康及び福祉を確保するための措置を定めることになっています。

2026年9月からの監督指導では、この健康確保措置の実施状況も重点的に確認されます。

したがって、

「36協定の範囲内だから問題ない」

と考えるだけでは十分ではありません。

会社には、法律上の時間外労働の上限を守るだけでなく、働く人の健康を守るための適切な労務管理も求められます。


会社が確認しておきたいポイント

今回の変更をきっかけに、会社では次の点を確認しておくとよいでしょう。

① 36協定を確認する

現在の36協定で、

  • 残業時間の上限
  • 特別条項の有無
  • 特別条項を利用できる事情
  • 健康及び福祉を確保するための措置

などがどのように定められているか確認します。

② 45時間超の残業が恒常化していないか確認する

一時的な繁忙期なのか、それとも毎月のように45時間を超えているのかを確認します。

恒常的な長時間労働であれば、

「なぜ残業が減らないのか」

という原因を考える必要があります。

③ 健康確保措置を実際に行う

36協定に定めた健康確保措置がある場合には、実際に実施できているかを確認します。


今回の変更を一言でいうと?

今回の変更は、

「残業45時間のルールがなくなる」

というものではありません。

正しくは、

「月45時間を超えたという数字だけを理由に、一律に残業削減を求める労働基準監督署の指導方法が見直され、36協定の内容や健康確保措置、実際の労働状況などを踏まえて指導する方向になる」

というものです。


まとめ

今回のポイントは3つです。

① 月45時間のルールがなくなるわけではありません

時間外労働には、引き続き法律上の上限があります。

② 特別な場合には45時間を超えることがあります

ただし、特別条項付き36協定など、法律で定められた条件を満たす必要があります。

③ 2026年9月からは「時間だけ」でなく「実態」を見る

労働基準監督署は、残業時間の数字だけでなく、36協定の内容や健康確保措置、実際の労働状況などを踏まえて指導する方向になります。

「45時間を超えても大丈夫になった」のではなく、「45時間を超える場合も含めて、会社が適切に労働時間を管理し、働く人の健康を守ることが重要になる」

と理解しておくとよいでしょう。


参考:厚生労働省

本記事は、厚生労働省が公表した「時間外・休日労働に関する相談・支援及び監督指導について」等の資料をもとに作成しています。

制度の詳細については、厚生労働省の最新資料をご確認ください。

父親の仕事と育児両立読本 パンフレット発行

厚生労働省の雇用環境・均等局職業生活両立課より育児休業制度をはじめとする両立支援制度の基礎知識とその活用方法、仕事と家庭の両立や家事・育児分担のポイントなどが盛り込まれたパンフレットが発行されました。
お子さまの誕生を控えている方や育児休業の取得を検討している方に向けて、制度への理解を深めるだけでなく、育児休業取得に向けた準備や職場復帰後の働き方を見据えた実践的なアドバイスを掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

父親の仕事と育児両立読本

雇用保険 失業保険の基本手当日額の変更 8月1日から開始

【基本手当日額とは?】
労働者が離職した場合に、失業中の生活を心配することなく再就職活動できるよう支給するものです。離職日の直前の6か月の賃金(賞与は除く)の合計を180で割って算出した額のおよそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)となっており、賃金の低い人ほど高い率になります。
・基本手当について(ハローワークインターネットサービス)
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html

【なぜ変更になったのか?】
令和7年度の平均給与額が令和6年度と比べて約2.7%上昇したこと及び最低賃金日額の適用に伴うものです。

【変更点】
・基本手当日額の最高額の引上げ
・基本手当日額の最低額の引上げ

報道発表資料

iDeCo 令和8年12月から変わります。

加入可能年齢が65歳未満までだったものが70歳未満までになり、拠出限度額は自営業、サラリーマンともに大幅にアップします。積み立てた掛金は全額が所得控除の対象になりますので節税効果は大きなものになります。

【iDeCoとは?】
公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に給付を受けられる私的年金制度の一つです。公的年金と異なり、加入は任意で、加入の申込、掛金の拠出、掛金の運用の全てをご自身で行い、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受け取ることができます。
公的年金と組み合わせることで、より豊かな老後生活を送るための一助となるものです。

【iDeCoの普及率など】
iDeCoの加入率は約5%、認知率は約60%であり、NISA(約25%)に比べて低い状況にあることから、こうした法改正を契機に、iDeCoの加入者の増加に向けて周知・広報を強力に進めていくとのことです。

iDeCoは手続きの複雑さ、口座管理手数料がかかる、60歳まで引き出しができないというのが主な普及しにくい理由のようです。今回の改正は所得控除が大きいので、高所得者の方にとっては恩恵が大きいですね。

https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001620594.pdf

令和8年度の算定基礎届 提出期限は7月10日(金曜)

算定基礎届は健康保険・厚生年金保険の被保険者および7 0 歳以上被用者の実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないように、事業主は、7 月1日現在で使用している全被保険者の3 カ月間( 4月、5 月、6月)の報酬月額を算定基礎届により届出し、毎年1回標準報酬
月額を決定し直す手続きのことです。
提出期限は、7月10日(金曜)です。
6月より順次様式などを送付しているので、届いている会社様も多いのではないでしょうか。

年に一度の重要な手続きであるため、以下のようなケースでは特別な対応が必要となります
・遡及支給(過去にさかのぼっての給与支払い)
・休業期間中の取り扱い
・4~6月途中での入社
・退職月額変更届(随時改定)との兼ね合い
上記のような個別ケースへの対応や、記載ミスによるリスクを考えると、決して簡単な作業ではありません。
「今年こそミスなく、スムーズに終わらせたい」 とお考えでしたら、ぜひ私どもにご依頼ください。

デジタル給与 利用率は1.5%

デジタル給与とは、○○Payなどのキャッシュレス決済サービスを通じて給与を受け取る仕組みです。
電子マネー用の「財布」に給与が振り込まれるイメージに近い制度となります。

2026年1月に実施された1万件規模の調査では、デジタル給与の利用率は1.5%という結果でした。

制度自体は2023年から開始されていますが、厚生労働省の指定事業者が出始めたのは2024年からであり、本格的な運用開始からおよそ3年での調査となります。

一方で、QRコード決済やバーコード決済などのキャッシュレス決済の利用率は59%となっており、支払い手段としては普及しているものの、「給与の受け取り方法」としては、まだ広がりは限定的なようです。

利用率が低い理由としては、
・安全性への不安(32.8%)
・現金の引き出しや銀行振込を利用する機会がある(29.3%)
などが挙げられています。

また、デジタル給与に対して「良くない」「どちらかといえば良くない」と回答した人は約30%となりました。さらに、「受け取り手続きが分からない」と回答した人も19.3%おり、今後は事業者側による操作方法の周知やイメージ改善も課題となりそうです。

なお、デジタル給与を導入する際には、労使協定の締結や従業員の同意取得などが必要となります。
導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

令和7年度 賃金のデジタル払いに関するニーズ調査 調査報告書

 

 

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