外国人社員を採用したとき、会社では社会保険の手続きが必要になります。
ところが、外国人の氏名を日本語の「カナ」で登録すると、思わぬところで手続きが止まることがあります。
その原因の一つが、氏名の表記の違いです。
たとえば、外国人本人の氏名をカナで登録したものと、行政機関が保有している情報のカナ表記が一致しないケースです。
「同じ人なのに、カナ表記が少し違う……」
こうした場合、これまでは本人確認のために会社へ確認・返戻されることがありました。
そこで今回、厚生労働省が本人確認の事務について新しい取扱いを示しました。
ポイントは「アルファベットの名前」
2026年10月1日から、日本国籍を有しない厚生年金被保険者について、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)への照会結果でカナ氏名だけが一致しない場合、アルファベット表記の氏名を使って本人確認できるようになります。
イメージすると、
カナ氏名が一致しない
↓
「別人なのか? 単なる表記の違いなのか?」
↓
アルファベット表記を確認
↓
アルファベット氏名が一致
↓
「本人と確認できた!」
という流れです。
これにより、カナ氏名の表記だけを理由に手続きが行き詰まるケースを減らすことが期待されます。
会社として何をしておけばいい?
今回の変更だけを理由に、会社の事務手続きを大きく変える必要はありません。
外国人社員を採用した際には、これまでどおり必要な本人確認書類を確認し、正確な氏名を把握しておくことが大切です。
特に、アルファベット表記の氏名を確認できる資料を会社側で確認できる状態にしておくと、カナ氏名の不一致が発生した場合にも対応しやすくなります。
また、この取扱いは電子申請の場合も同様です。
被扶養者の手続きにも関係します
今回の変更は、外国人社員本人だけの話ではありません。
外国人の被扶養者について健康保険の扶養認定を行う場合も、カナ氏名だけが一致しないケースで、アルファベット表記の氏名が一致すれば本人確認ができたものとして処理できるようになります。
まとめ
今回の変更を一言で表すなら、
「カナ氏名が違っていても、アルファベット氏名で本人確認できれば手続きを進められるようになる」
というものです。
外国人材を雇用する会社が増えるなか、氏名の表記方法による事務上の「ちょっとしたつまずき」を減らすための変更と言えるでしょう。
適用開始は2026年10月1日です。
外国人社員の社会保険手続きを担当している方は、今回の変更を知っておくと、いざというときに慌てず対応できます。
※本記事は、2026年8月3日付「日本国籍を有しない厚生年金保険被保険者の資格取得等に係る事務の取扱いについて」に基づいて作成しています。
